番組編成はテレビ局の編成局においてなされています。その編成を大きく変えるのは、そのテレビ局に とってより良い状態にするためのことだと言えるでしょう。そして、そのことを(?)「改編」(「改革編成」の略らし い・・・)と言い、それをする時期を「改編期」といいます。そしてその改編期としうのは主に「4月と10月」に当たります。 またそれぞれの真ん中の1 月、7月も他の月より改編する番組が多いです。
また番組改編で、ドラマ番組など予め終了日・放送回数が決まっていた番組が、その予定回数より少な い回数で予定より早く終了させられたり、終了が予定されていない番組が終了させられることを、よく「打ち切り」といいます。
それでは、どのような番組が打ち切られてしまうのでしょうか。
まず、視聴 率が不振というのが大多数といえます。何故視聴率が低いとうち切られる理由の一部(大半?)は、そもそもの「民放」の定義が当たり前ながらも関連してき ます。
そもそも放送局には、
@公共放送(つまり日本放送協会ーNHK)《視聴者からの受信料を経営財源とする。》と
A民間放送(ちなみに略して、民放)《広告料を経営財源とする。》
の2種類があります。(ちなみに、このことは放送法にて定められています。また、『NHKのそこが知りたい』ー講談社刊によりますと、[1950年に放送法が制定された際、公共放送と民間放送それぞれの長所を発揮し、競い合 うことで、放送の健全な発展を図る観点から]それぞれ、このよ うな運営をすることになったようです。そして、この本には[NHKでは、テレビ・ラジオにおいてCMを放送してはいけない]ということも書いてありました。)
というわけで民放はCMを放送する際の、そのスポンサーの広告料で経営が成り立っているわけです。
そして常識的に考えれば、「ある広告を視聴する人が多ければ多いほど、その広告
の品は知れ渡り、売れることになりますので、その広告料は高くなります。」・・・この文章をテレビの場合で言い換えれば(少々直接つながっていない部分もありますが・・・)、
「ある番組の視聴率が高ければ高いほど、そ
の番組のCMの広告料は高くなる。(=収入アッ
プ!!)」ということになります。実際はもっと複雑のようですが、大ざっぱに言うと.こうなります。
・・・これが「視聴率が低いと打ち切られてしまう」原理のようなものと言っていい でしょう。
しかし、単に視聴率が低いだけでは打ち切られないことも多いようです。
例としては
@【スポンサーの続けたいという意向】・・・ | 一社提供の番組
に多いです。局側としては大きな収入源が確保されていますから、たとえ視聴率が低くても無理にうち切る必要はないといえます。 例:「神々のいたずら」「(新・)題名のない音楽会」など |
||
A【大手制作会社、大物芸能人への 気遣い】・・・ | 比較的、他の番組よりも打ち切るよりも打 ち切らずテコ入れを続けていくケースが多いです。またこれはCともつながっています。 | ||
B【もともと視聴率が上がりにく い、取りにくい傾向の番組】・・・ | いわゆる”様子見”といった感じでしょう か。帯番組や、朝・昼帯の番組、ドキュメンタリー等々・・・に多く見られます。 | ||
C【番組の固定ファンが多い】 |
と、こういった例は比較的打ち切られにくなっています。
本題に戻りますと、打ち切られるのはやはり大多数のものが視聴率低迷によるものなのですが、
他には
▼裏番組が強力でそのままでは絶対に視聴率がのびないという場合
▼主に長寿番組打ち切りに見られる理由として、絶頂期より視聴率が落ち込んできて勢いがなくなった場合(「SHOWbyショーバイ!!」「マジカル頭脳パ
ワー!!」など)、
▼また数字体は少ないものの打ち切りとしては人々にはインパクトの出てしまう、番組の不祥事 など。
平成になってからこのような番組の不祥事での打ち切りがありました。なんとも胸にいたみますことやら・・・。
*この段落の[ ]で囲まれたこの色の文字は『テレビのうわさ ぽにーてーる編
(双葉社刊)』よりほぼ抜き出す形で使用しています。
▽ドキュメンタリー系の番組でのやらせによる打ち切り
・1992年9月25日打ち切り 朝日放送「(いつみの情報案内人)素敵にドキュメント」(1987年10月〜、テレビ朝日系金曜21時)
[1992年7月に放送した「OL・女子大生の性24時」で外国人男性
に群がる日本人女性の実態をレポートしたが、男性も女性もアルバイトで番組に出ていたことが発覚。司会の逸見政孝氏は即座に自主降板を発表。]とのこと。そして、結局打ち切りが決定に。 ちなみに『TVぴあ126号(ぴあ株式会社刊)』の番
組表によるとこの9月25日の翌週の10月2日にはこの番組の2時間スペシャルの放送が予定されていました。
・1999年11月8日打ち切り フジテレビ「愛する二人 別れる二
人」(1998年10月19日〜「愛するふたり 別れるふたり」として開始、後にこのタイトルに、月曜19時)
出場者のカップルの片方が、本人ではなかった回が明確に解り、打ち切り
へ。
その年の夏頃から週刊誌等でやらせは噂されていたせいもあ
るのでしょうか、徐々に視聴率が上がり、結果的に最終回となってしまった日の視聴率は番組最高の30%超でした。ちなみにこの翌週は「バレーボール」放送
のため、予め放送はなかったのだが3本ほど既に収録されていたらしいです。
個人的な意見ですが、バラエティ番組での「やらせ」の割にはちょっと打ち切る思い切りがよすぎた様に思います。(おまけに、やらせでもつづけてくれ、と
いう視聴者の声も多くあったらしいです。個人的な意見かも知れませんがはっきり言って普通のお笑い系バラエティ番組だと番組の作品性がそれなりに認められ
ます。)ただ、やらせが判明したのも、番組に出場した方が自殺したのが判明したためでしたので、このやらせ判明が別の形であればもしかしたらこのようには
ならなかったような気もします。 また、この番組はフジテレビの「第3制作部」が制作していた(他に制作会社も制作協力していました。)のですが、ここは
普段報道系を担当していたということも関係しているかと思われます。
また『月刊ザテレビジョン54号1999年10月号(角川書店刊)』の番組表には1999年9月20日の放送で[終]の記号が記されていました。と言う
わけであれぼどまで視聴率が上がらなければもしかしたら普通に終わったいたのかもしれませんが、このことはやらせによって、そのことが視聴者に知れなくて
も危ない状況をつくってしまったということも予想しようと思えばできます・・・。
どうであるにしろ、視聴者からの反響が大きすぎた、ということでしょうか。
実はこの打ち切りの後のこの月曜7時枠は2000年1月〜2001年3月まで、この番組を制作協力していた制作会社が同じく制作協力していました。結局
大したことなかったのではという気もします。
▽その他
・1991年10月26日打ち切り 日本テレビ「CAPA」(1991年10月5日〜、土曜25:10〜26:05/全4回)
[「報道局員と遊ぼう」と言うコンセプトが既にいけないことだったのか
も知れない。「不祥事」は第3回放送(10月19日放送)で起こった。警視庁記者クラブの宿直男性記者をハイレグ嬢が激励に行き、ツイストゲームや添い寝ま
でしてしまった。この一件で日本テレビは約2ヶ月間の警視庁記者クラブ登庁禁止処分に。このことの責任を取り、日テレは番組打ち切りを決定。]
・1993年6月26日打ち切り フジテレビ「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」(1990年10月13日〜、土曜20時)
{1993年6月24日午前1時過ぎ、この番組の収録中に、出演者がも
み合ううちに背景のベニヤ板が外れ、隙間から2.3メートル下に、香港のロックグループ『ビヨンド』の黄家駒さんとウッチャンこと内村光良さんが転落。頭
を打った黄さんは30日に死亡した。(朝日新聞1993年7月15日夕刊21面『問われるTV制作現場の安全管理』より)}
内村氏退院後、局側が出演者を配慮し、番組は打ち切りが決定。
これ以降は比較的バラエティー番組がこういった体を張った危険な企画は
減っていったような気がします。(ただそういった番組より「マジカル」「フレンドパーク」系の番組の方が人気になってきたというのもあるかと思われます
が。)
・1997年11月2日打ち切り フジテレビ「ダウンタウンのごっ
つええ感じ」(1991年12月8日〜、日曜20時)【制作協力:吉本興業 NCV】
「『ごっつ』はいいときは24.2%もとった番組ですが低迷。そんな
折、松本人志さんへの(9月28日の2時間スペシャルに)“ヤクルト(対阪神)リーグ優勝戦への差し替え連絡ミス”が起こりました。当初、フジテレビは番組
途中からのカットインを考えていましたが松本さんがこのことを9月28日午前3時頃、インターネットで知ったことが不信感を募らせました。逆にフジテレビ
は吉本興業のプロデューサーに“差し替え”を連絡、了承を得ていたはずが松本さんには伝わっていなかったことをいたぶります。(「TV大人のみかた」(著
/小池正春 発行/ダイヤモンド社)153頁より)」
ちなみに、視聴者に対して、予定されていた9月28日の19時からの「ごっつ」スペシャルを変更し例の野球中継を放送することが知ら
されてのも、18時半〜の「サザエさん」放送中のときに出たそのことを伝えるテロップにてのみでした。個人的にも急な知らせで少々ショックだった記憶があ
ります。
尚、このスペシャルは翌週の同じ時間(10月5日19時〜)に放送されました。
と言った感じです。次は、やはり打ち切りとも関連性のある「番組休止・特番」についてです。